毎年7~8月はお家に引きこもり、運動不足になる。石垣空港の発着便も北半球の観光地も値上がりするからだ。南半球は真冬だし。 今夏は特にぐうたらしている。異様に暑いからである。 亜熱帯でも海に囲まれているので猛暑日はあり得なかったのに、7月19日から4日連続で35℃超。最低気温が30℃を超える「超熱帯夜」も、7月18日と19日に初めて記録した。 週3ジョギングを維持するだけで精いっぱい。山トレの意欲は全く湧かない。 しかし「goto幌尻岳からの剱岳」が迫るにつれて、心配になってきた。登山筋を弛緩させたままでは、内地の高く険しいお歴々には太刀打ちできない。 そこで、歴史的な天然サウナでも出来そうな山トレとして「第1回 野底マーペー耐久®」にエントリーした(出場1名)。 1⃣林道からの近道コースは急登なので、効率的に負荷をかけられる 2⃣山頂部以外はジャングルで、直射日光を受けない 3⃣1往復25分くらい。手ぶらでも水分補給が簡単 4⃣ヒルがいない山域←わりと重要 5⃣山頂は360度パノラマ←超重要 という特長があり、「バンナ耐久®」より心が折れにくいと思われた。 🌴野底岳(のそこ・だけ)─── 石垣島北部にそびえる(標高282m)。通称「ヌスク・マーペー」。「しま山100選」の99座目(ラストは与那国島の宇良部岳)。 黒島から石垣島に強制移住させられた娘マーペーが恋人を想って山頂まで登ったが、於茂登(おもと)岳に遮られて故郷を見られず、悲しみのあまり岩になったという伝説がある。琉球王国での強制移住は史実。山頂も岩々から成る。 —————————————————— 21日朝、ドリンク2ℓボトルをスクーターに放り込んで出発した。前夕から冷凍庫に入れておいたのにシャーベットにしかならず、登山口に着いた頃には溶けていた。 晴れ。最低29.3℃、最高33.1℃。南の風がフィリピン海のほうから湿りまくった空気をせっせと運んでくる。最悪の山トレ日和。 1往復目から汗がとめどなくジャングル登山道に滴り落ち、すぐに喉が渇く。これは手強そうだ。 神奈川県民のパパママ坊やに出会った。リピーターという。 親子はゆっくり登り、山頂でもゆっくり360度ビューを満喫するだろう。こっちは足早に登り下りを繰り返す。つまり、何度も会うことになる。ご説明しておいたほうがいい。 「山登りのトレーニングをしているんです」 「こんな絶景のところで、いいですねえ」 イケメンのパパは、無難に答えた。しかし、山トレの環境としては国内最悪レベルなのです、実際のところ。 3回目の山頂が見えた時、「また来た!」という坊やの声が聞こえた。すでに2回会った変人の接近をパパママに報告したのだ。 遮るものがない山頂では風が強いので、気持ちいい。少し長話をした。 2013年の新空港オープン以来、観光客が激増して、雰囲気がどんどん変わっていること。美ら島の眺めも、半年も暮らせば飽きること等々。 お先に失礼した時、坊やに聞かれた。「また登るの?」。そう。登るのだよ。限界まで。 5往復目の上りで左かかとの靴擦れが悪化し、嫌になってきた。 6往復を終えたところで、ドリンク2ℓが想定外に早く枯渇。空のボトルを見て気力も尽き、7往復でリタイヤしようと決めた。 その7往復目。石垣島随一の名峰で音楽をガンガンかけながら登る半裸のバカップルに出くわし、「やっぱり潮時だ」と思った。 真夏の「マーペー耐久®」初参戦は、7往復に終わった。10往復は行けると思っていたのに。こんな体たらくで「goto幌尻岳からの剱岳」を乗り切れるだろうか。 登山体力の低下は否めない。でも、基本的には暑さのせいだ。この天然サウナで、この急登は無理。そう自らに言い聞かせてみた。 結果は、日高山脈あたりで出る。 🐻おしらせ─── 次回は、北海道のどこかからお届けします。 —————————————————— 🌴お願い─── 当アカウントでは、害虫が湧くリスクがあります。一日の大半をYAMAPでの詐欺や嫌がらせに費やしている外来種です。 博愛の精神と憐憫の情でもって「ガン無視」してあげて下さい。私たちのコミュニティーの強さとしなやかさを教えてあげましょう。 ——————————————————
マーペーに向かう途中のパイナップル畑。
パイナップルの子供。複数の果実から成る「複合果」であることがよく分かる。
こちらはバナナ畑。まだ背が低い。
隣の区画では大木に育っていて、たくさんの実を付けていた。
野底林道の展望台から、本日のマーペー。
林道からの近道コースは、黙々と登れば1往復25分くらい。半分ほどは、がっつり急登のロープ場である。
時季のせいか天気のせいか、この日のトレイルにはウジャウジャいた。
山頂には岩がゴロゴロ。伝説では、ここから黒島を望もうとした娘マーペーの願い叶わず、悲しみのあまり岩になったという。
確かに、黒島の方向には沖縄県最高峰・於茂登岳(おもとだけ、写真左奥)がそびえ、視界を遮っている。 でも、於茂登岳がなかったとしても、黒島は見えないだろうな......
家族連れも外国人(フランス人ソロ兄貴に出会った)も大満足の360度ビュー。
石垣島の北東に突き出た平久保半島の付け根。右側が太平洋、左側が東シナ海。
6往復したところで、2ℓのドリンクが枯渇。気力もなくなってくる。
北部に出かける時はランチによく使う「ヤスとカマーの店」。ごく普通の島料理の食堂。伝統的な古民家。
店内はこんな感じ。ベタな島唄が流れている。 いつ来ても、北部で盛んな公共工事の作業員と観光客が半々くらい。地元の庶民食堂のテイストがよく残されているから、気に入っている。
豆腐チャンプルー定食800円。
北側の野底集落から見たマーペーが一番イケメン。マッターホルンや槍ヶ岳みたいに山頂部が尖っている=2023年5月
ピレネー山脈の名所「ローランの裂け目」が遅ればせながらランドマーク登録され、活動日記が映えるようになった。あなたもゲットしてみよう!
ローランの裂け目=2024年6月
「地球の歩き方 イタリア」の古本を衝動買い。スイスアルプスとピレネーを歩いたから「次はドロミテだろ?」という超ミーハーな発想に基づく。なお、本書ではドロミテの記述は1ページしかない。
ドロミテ©フォートラベル